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はちょと三ツ星

★★★Triple Star~Many shining stars~のプレイヤー「はちょ」による、★★★に関するあれこれ。

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壊された平穏―その後のマリーナとエンド―

マリーナがエンドと話をする決意をしたので、
どんな話をしたのかまとめてみました。

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「……」

小さなお花のアレンジメントと、お菓子を持って、マリーナはスターリーフの前に立っていた。
ほんのささやかな快気祝い。
まずはエンドの顔を見ようという気持ちが鈍らないうちに。
しかしいざ店の前まで来ると、もう一歩が踏み出せないでいる。

そんなとき、内側からドアが開いた。
からんころん、カウベルが鳴る。

「じゃあ、行ってくるね。」

そんな声を店の内側に残し、出てきたのは、冒険に適した服を着た赤髪の少年だった。
少年―エンドもマリーナに気づいて、驚いたように少しだけ目を見開き、佇む。

「…あ……こんにちは」

心の準備ができていなかったマリーナは、ちょっとしどろもどろになったが、曖昧に笑みを浮かべて挨拶をした。
エンドは無表情で、ぺこりと頭を下げ「こんにちは」と挨拶を返した。

「お茶に来たの?……それとも、僕に用事?」

いつか彼女が訪ねてくるのがわかっていたように、落ち着いて応対する少年。
真っ直ぐな彼の瞳にひるんだのはマリーナの方だった。

「え……ええ、怪我が良くなったとお聞きしましたので、快気祝いにと思いまして」

それでも喋っているうちに何とか平静を取り戻し、にこりと微笑む。
少年は今度こそはっきりと驚いた顔をした。

「快気祝い……僕に…?」

エンドはマリーナの持っていた花とお菓子に気づき、不思議そうに見ている。

「はい、エンドさんに。…お元気になられて、良かったです」

マリーナは花とお菓子をエンドに渡し、微笑む。
エンドは苦々しい顔をして、とりあえずプレゼントを受け取った。

「……ありがと」

そして束の間落ちる静寂。

「「……あの、」」

声をかけたのは、お互い同時だった。
エンドが目で、先にどうぞ、と促す。

「……。あの、よろしければ、少しお話しませんか…?」

エンドはこくりと頷いた。

「いいよ。…場所、変えようか。」


―星見の丘―

二人は道中一言も口をきかないまま、街を見渡せる丘までやってきた。
他に誰もいない、静かな丘で、マリーナは口を開く。

「…お聞きしたいことが…あるんです。」

「…何?」

躊躇いがちに話すマリーナに対して、エンドの口調は淡々としている。
機会を設けてゆっくり話したことはなかった、少年のあまりにも子供らしからぬ風情に、マリーナは質問を変えた。

「今まで…トレステラにいらっしゃる前は、どう暮らしていらっしゃったんですか?」

「…街に着く…半年くらい?前までは、ずっと組織で働いてたよ。
 確か…6歳の頃から『仕事』してたって、聞いてる。」

街を見ながら答えていたエンドは、今度は真っ直ぐマリーナを見た。

「4年前だったら、8歳だったかな。」

核心を突かれて、マリーナは息をのんだ。
それを見てエンドは、また街へ視線を戻した。

「…色んなものを壊してきたから、覚えてないこともあるけど…村を消すのは、結構大きい仕事だったから、少し覚えてる。
 僕のいた班と、他にも2班くらいだったかな…実働部隊では、結構選りすぐりのメンバーだった。」

「……どう、して…」

故郷を壊した話…聞きたいような、聞きたくないような。
それでも、逃げていても始まらないから。
この少年が事実から逃げていないように、自分も受け止めなくては、とマリーナは自分を奮い立たせた。

「どうして……村を襲ったんですか?」

また少年は真っ直ぐマリーナを見て、言った。

「…命令だったから。それ以上はわからない。」

「……そう、ですか。」

やはり、新たな事実はわからなかった。
若干気落ちしたような、しかしこの件はこれで終わり、と区切りがついたような。
マリーナが黙っていると、口を開いたのはエンドだった。

「……。それだけ?」

「…はい?」

「怒ったり、…いろいろ、もっと言いたいこと、ないの?」

「怒る…」

予想だにしていなかった言葉をかけられ、マリーナはきょとんとした。
エンドはそんなマリーナの様子を不思議そうに見ている。
マリーナは考え考え、言葉を紡いだ。

「そうですね……怒りや、恨めしい、という気持ちは…あまりないんです。
 …ただ…」

きゅ、と手を握り、俯く。

「…ただ……どうしてみんなが…殺されなければならなかったのか…。
 …それを考えると……悲しく、て…」

ほろりと一筋、涙がこぼれる。
そう、ずっと押し込めていた気持ち。
正面から向き合ってあげていなかった気持ち。
ひとたび口にすれば、涙はとめどなく溢れてくる。

「っ…どうして…」

声をこらえながら泣くマリーナを、エンドは黙って見ていた。
かける言葉が見つからない。
どうしたらいいかわからない。
…歯がゆかった。

やがてマリーナは顔をあげ、泣き笑いを浮かべた。

「…ごめんなさい。でも、エンドさんが嫌いになったとか、お怨みするとか、そういう気持ちは本当にないんです。
 …今日は、ありがとうございました。」

ぺこりと頭を下げ、マリーナは丘を下りて行った。

「……」

残されたエンドは…どさりと丘に転がり、空を見上げた。




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