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はちょと三ツ星

★★★Triple Star~Many shining stars~のプレイヤー「はちょ」による、★★★に関するあれこれ。

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SS:約10年前

とあるアジトにて。
 
「はー、読み聞かせって案外難しいんだな。でもやっと寝てくれたぜ」
 
寝室から出てきたルールを、リードが微笑で迎える。
 
「お疲れ様です、ルール。こちらの調べも大体終わりました」
 
ルールとリードが、木の洞に隠れた幼子を見つけ出して、半月が過ぎようとしていたころの話。 

拍手[3回]


「アンリくんの所持していたピアスは、どうやら氷神教の神職がよく所持している物の様ですね」
 
「ひょーしんきょー? なんだそれ、聞き覚えがねーな」
 
「遥か北方に本山のある宗教ですよ。氷神教徒は、冬を司る神を主神として崇めています。恩恵を与える神というよりは、荒ぶる神ですね。彼らの教義では、神は生き物に力を分け与えることでその力を抑えているらしいですよ。神の力…つまり氷冷術に長けた人間は、神職として選ばれます」
 
「ほーん…つまりアンリもその…なんだ、聖職者?なわけか?」
 
ルールがそう考えたのは、その頃は夏を控えた雨季で、子供は勝手に氷を作っては遊んでいるほどには氷冷の術に長けていたからだ。
 
「いえ、入信するには7歳の誕生日を迎えなければなりません。それ以前は一般信徒扱いですね。親か誰か、大人の持ち物である可能性が高いでしょう」
 
リードは子供を発見した時の事を思い出す。
泣きながらピアスを握りしめていた子供の、第一声は――。
 
「『かあさま』のピアスか」
 
そう呟いたルールも自分と同じ事を考えていたのだろうと思うと、リードは微笑んだ。
 
「…お母上を見つけて差し上げられると良いのですが…」
 
あんな人里離れた寂しい場所に、3~4歳の子供が一人でたどり着けるわけはない。
意図的に置いて行かれたとしか考えられない。
しかしなぜ、どうして――?
 
「少々気になる点が」
 
「気になる点?」
 
「…近年、氷神教徒――しかも神職の者――の失踪事件が、ごく稀にですが起きているようです。誘拐、との噂もあります」
 
「そりゃあ……穏やかじゃねぇな…。犯人とか犯行の手口は?」
 
「それが、全く分からないそうですよ。証拠も何もなく…ですから、“失踪”として片付けるしかないようなのですが」
 
「お前の情報網には、何か別の情報が引っかかってんじゃねーの?」
 
「……。直接関係があるかどうかわかりませんよ。証拠もありませんし。…ただ、死の商人『アンモビウム』が、魔道具の開発に乗り出した、と…」
 
「ふむ…リードは、そいつらが氷神教徒の失踪事件と関係あるって考えてんだな」
 
「…ただ時期が一致してるってだけなんですけどね。アンモビウムの目的が、人為的に氷神教神職の力を再現することだとしたら、と穿った考えをしてしまいます」
 
しばし沈黙が落ちる。
それぞれ、どうしたらいいか考えているのだ。
今預かっている子供について。
 
「……なあリード。あっちが探してんなら、きっと会える。必ずな。それまで、あいつは俺達が育てる…ってんじゃ駄目かな?」
 
「……。ルールならそう言うと、思ってましたよ」
 
「よっし、じゃあ決まりだ!」
 
わからないことが多すぎる。しかし、考えていても始まらないが首領ルールのモットーだ。
それからというもの、ルールとリードは、アンリを隠すように、あちこち移動しながら活動を続けた。
アンリは、いつしか仲間達から、神話に出てくる雪の女王『ヘル』の様だと、あだ名されるようになった。
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